• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第5章 IH予選




「烏野おおおお!ファイ、オー!!!」



2回戦が始まる前のアップでの球出しが始まる。
私は声を出すことしかできないけど。



でも、烏野の一員としてできることを頑張るんだ。



伊達工業の応援団に張り合うがごとく、大きな声を出しながら球出しの手伝いをする。



「なんか菜月、影山みたいな顔してる…どうかした?」



「え?!」



自分の番のレシーブを終えた日向くんにそう言われて、驚いた。



影山くんみたいな顔って…



「私そんなに怖い顔してた?」



「うん、こーんな顔してあっちのコート睨んでたぞ。」



そう言って日向くんは影山くんの顔真似をする。
それが何だかすごく似ていて、思わず笑ってしまった。



「おい、誰の顔が怖いって?」



「うわああ!」



「お前のことに決まってんじゃん。いっつも仏頂面してさ。」



「うるせえな!もともとこういう顔なんだ!」



尚も騒ぐ日向くんを追い払ってから影山くんは呟いた。



「…いい顔するようになったじゃねえか。」



「え?」



「お前も、俺達と一緒に戦ってるってことだよな。」



気合入れすぎて試合前に声枯らすなよ。
そう言って影山くんはアップに戻っていく。



私は今の影山くんの言葉が嬉しくて、ますます張り切ってしまう。



心の中でだけでも、頑張って、じゃなくて、頑張ろうって言いたいから。



/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp