第1章 出会い
「大丈夫だったかー?」
私を気にかけた菅原先輩がこちらにやってくる。
「あ…はい。先輩たちが来てくれたので。」
「男ばっかりだとこういうことも珍しくないからさ、危ない時は誰か呼ぶんだぞ。」
「はい。」
「ごめんね 水沢さん、俺…何もできなくて。 」
私の隣で山口くんがうなだれている。
「ツッキーって俺の言うこと聞いてくれないから…ああなっちゃうと俺には止められなくて」
「気にしないで。私も突然だったからびっくりしちゃったけど、こういうことにも慣れていかなきゃね。」
「すごい…前向きだね。」
「そうかな?山口くんも一緒に頑張ろうね!」
「う、うん…!」
こうして影山くんと月島くん、二人を除いたまま午後の練習は始まった。
途中、二人は何度か戻ってきたけれど、その度に大地さんに不合格をくらい、結局今日はコートに入ることは許されなかった。