第1章 出会い
まだ2日目ということで、今日も授業はなく、午前のみで終わりになった。
本格的な授業は明日からだ。
昼食後、また午後の部活が始まる。
カバンを探り、お弁当の包みを取り出そうとして気付く。
そういえば、私今日お弁当持ってきてないじゃん!!!
うっかりしていた。
短縮授業のため、お母さんも気にかけていなかったんだろう。
これは自分が悪い、仕方ない…。
財布だけ持って購買に行くことにする。
「あれ、菜月 今日弁当じゃないんだ!」
「あ、うん。ちょっと購買行ってくるね。」
「いってらっしゃいー!」
笑顔で手をふる日向くんにこちらも手をふって購買へと向かう。
今はたまたまなのか、人はほとんどいなかった。
適当なパンと飲み物を選んで会計に出す。
「はい、じゃあ320円ね。」
「はーい!えーと…」
うっ!!!
財布の中身を見て凍りついた。
100円すら入っていない。
この間買い物をしたあと、財布に補充するのをすっかり忘れていた。
「ご、ごめんなさい、これやっぱりやめ…」
「何やってんの。」