第4章 変化
私の初めての合宿は、最終日に風邪でリタイアという、何とも情けない結果に終わってしまった。
しかも、この風邪がなかなかしつこく、2日間も学校を休むはめになった。
なので登校するのが物凄く久しぶりな感覚になる。
連休も合わせて一週間以上になるのだから当たり前か。
朝までは休ませてもらって、部活への復帰は午後練からにすることにした。
「菜月!大丈夫??」
登校すると、合宿最終日以来に顔を合わせる日向くんが声をかけてきた。
「練習試合終わったら菜月が具合悪くなって帰ったって聞いてすごく心配したんだからなー!」
日向くんはそう言って、練習試合の勝敗や様子について詳しく語ってくれた。
それを聞いている間に、だんだん合宿中のことが蘇ってきて、影山くんとのキスのことまで思い起こされてしまった。
そうだ。
最後に会った日は熱に浮かされて割と普通に会話していたけれど、まだあのことは解決していないのだった。
午後の部活に顔を出すのがしんどいな、どうしよう。
そう思っていたら、ちょうど委員会の用事ができて結局その日も部活には参加できなかった。
かえって下校時刻はいつもより遅くなってしまったほどだった。