第3章 ゲームセンター
「ねぇ、田中くんプリクラ撮らない?」
「プリクラなんて女が撮るもんだろうが!」
「いーからいーから♪」
香坂に背中を押されプリクラコーナーに無理矢理連れて込まれてしまった。
撮ってみると意外と楽しい。
「おい!俺の目をキラキラさせんな!」
「アハハ!ウケる~♪」
撮影が終わってからは終始大騒ぎしていた。
「はい、田中くんの分!」
香坂は撮ったプリクラを半分俺にくれた。
「おう、サンキュー!」
初めて撮ったプリクラ。
女子と一緒に撮れて嬉しいものだ。
俺は貰ったプリクラを見てにやけてしまった。
夕方になり香坂と途中まで一緒に帰る。
「香坂はゲーセンよく行くのか?」
「たまに行く位だよ。今日はプライズ見に来たの。欲しかった景品結局取れなかったんだけど、今日ゲーセンに来て良かった!」
「は?何で景品取れなかったのにゲーセン来て良かったんだよ?」
「田中くんと遊べたから!私すっごく楽しかったよ!」
ニッコリ笑う香坂に俺はドキドキしてしまった。
ただのクラスメイトだと思ってたのに。
俺はその瞬間彼女の事が愛しくなり
思わず香坂の手を握ってしまった。
「!!田中くん!?」
突然の事であたふたする香坂。
「……俺らカップルなんだろ?」
「…………今日だけ…ね。」
香坂はそう言って俺の手を離す事なく
プイッと俺とは逆方向を向いた。
香坂も照れてんのかな。
そんな事を思いながら手を繋ぎながら無言で歩く。
沈黙を破ったのは香坂だった。
「ねぇ田中くん……またゲーセンで会ったら遊ぼうね。」
「来週、またゲーセン行くから。
だから香坂も来いよ!」
「うん!絶対行くね!」
少し赤らめた顔で嬉しそうに話す香坂にまた俺はドキドキしてしまった。
恋に落ちるとはこういう事なのかも知れない。
俺は彼女の握る手にギュッと力を込めた。