第3章 ゲームセンター
[龍~!駅前のゲームセンターに居るんだけど今から来てくれない?]
姉貴からのLINEだ。
外寒みぃのに何でゲーセンなんて行かなきゃならねぇんだよ。
でも逆らうと後々面倒臭い。
俺はこたつに潜った重い腰をあげ
駅前のゲーセンへと向かった。
ゲーセンで姉貴はメダル落としで遊んでいて
テーブルにはメダルカップ2つに大量にメダルが入っていた。
「姉貴、呼び出して何の用だよ。」
「龍~待ってた!このメダルあげる!
暇潰しでスロットマシンで遊んでたら
当たっちゃって!もう時間ないからじゃあねー!」
いそいそとゲーセンを後にした姉貴に
俺は呆気に取られてしまった。
せっかく来たんだし少し遊んで帰るか。
俺は姉貴が遊んでいたメダル落としのマシンにそのまま座り込んだ。
たまに回る液晶のスロットと段々と減っていくメダル。
……つまんねぇ。
メダル減るだけじゃねぇか。
俺は一つのカップのメダルを半分減らした所でやめようと席を立ち上がった。
「あれ?田中くんだ!」
そんな声が聞こえ振り向くとクラスメイトの
香坂が立っていた。
「よう香坂!一人でゲーセンか?寂しい奴だなぁ。」
「田中くんこそ一人でしょ?お互い様じゃん!そこやめるの?勿体ない。」
「あ?勿体なくねぇよ。メダル減るだけだし。」
「田中くんはわかってないなぁ。とりあえず落ちそうなボール2つあるからそれ落としてからやめたほうがいいよ。」
ボール?……フィールド内に出てる球のことか。
「そうなのか?……香坂も隣で遊ぶか?」
「いいの?田中くんのメダルなのに。」
「これ元々貰いもん、一人で遊んでても飽きるし。」
「そうなの?じゃあお言葉に甘えて失礼します!」
香坂は嬉しそうに俺の隣に座った。