第17章 花束
あーもう!
何でこうなっちゃうの。
そりゃゲーム中に勝手にスマホの電源切ったのは悪いと思ったけど
勝手に帰っちゃうなんて……。
私は堅治の事好きだもん。
別れたいなんて一度も思った事ないもん。
ただもう少し私の事を考えてくれるだけで良かっただけなのに……。
……もしかして堅治は私に愛想つかしちゃったのかな。
堅治から別れ話切り出されたら私生きていけないよ……。
「…………やだよ……堅治と別れたくないよ……」
私は不安で一杯になってしまいその事を考えるだけでポロポロと涙が流れてきてしまった。
暫くして泣き疲れた私は
いつの間にかベッドで眠ってしまった。
「理緒起きて!」
誰かに揺さぶられ目を覚ますと
帰ったはずの堅治の顔が目の前にあった。
「堅治……さっきはごめんね。」
「……理緒謝るのは俺のほう。
せっかくのデートなのに相手してやれなくて悪かった。………これで許してくれない?」
堅治はそう言って私に花束を渡してきた。
9本の赤い薔薇の花束。
「これ、私に?」
「流石に青い薔薇は買えねぇけど綺麗だろ。」
「うん、すっごく綺麗!嬉しいよ!
ねぇ、薔薇の本数9本だけどこれって何か意味があるの?」
「…………まぁな。調べてみれば?」
私はスマホで意味を調べてみた。
「堅治!私も同じ気持ちだよ♪
……本当はね、堅治帰っちゃってもしかしたら私振られちゃうんじゃないかと思ってたの。でも意味を知って安心した!」
「俺から振ることは絶対無いよ。
……これからもずっと理緒だけを愛すから。ほらっ、支度してどっか遊びに行こうぜ!」
「うん!」
9本の薔薇の花束の意味。
“ずっと一緒に”“永遠の愛”
私はこれからも今まで以上に堅治を愛し続けます。