第8章 恋のキューピッド
「あの…私香坂理緒と言います。リエーフくんの名前は夜久くんから教えて貰いました。」
「だから名前知ってたのかー!夜久さん凶暴じゃないっすか!?よく蹴られるんすよ!」
蹴られる?
あの温厚そうな夜久くんが?
私は想像してしてまいクスッと笑ってしまった。
「あっ、そういえば朝練は?
リエーフくんバレー部なんでしょ?」
「そうなんですけど、夜久さんに今日は朝練いいからココでマルちゃんと遊んでろって言われたんすよね。昨日も泊まりに来いって言われたり、何か夜久さん優しすぎて恐いんですよ!」
えっ……。
「あの、リエーフくんの家ってこの辺じゃ無いの?」
「違いますよ!この間会った時も夜久さん家に泊まってて、今日もまたオネーサンに会えたんで俺嬉しかった!」
やっぱり、今日は偶然じゃない。
夜久くんが私にリエーフくんを会わせてくれたんだ。
ってことは夜久くんには気付かれてたの!?
うわっ、恥ずかしい!
………でもせっかくの夜久くんの好意を無駄にしたくない。
勇気出さなきゃ……。
「……あの…リエーフくん、お話があるんですが……」
「?どうしたの?」
「わ、私……リエーフくんに一目惚れしちゃって…………友達になってくれませんか?」
はぅぅ、私のバカ!
何で一目惚れとか言っちゃったの。
これじゃ告白同然だよ……。
「理緒は俺と友達でいいの?」
リエーフくんは私の顔をジッと見つめ手を握ってきた。
本当は……付き合いたい。
私はリエーフくんの言葉を否定するように
ブンブンと首を横に振った。
「じゃあ俺と付き合って下さい!」
そう言ってニッコリ笑うリエーフくんに
私は夢を見てるんじゃないかと思い自分の頬をつねってみる。
……痛い。
夢じゃない!!
私は嬉しくて彼の返事に応えるように
リエーフくんに抱きついた。
――――――
後からリエーフくんに教えて貰ったんだけど
私達が初めて会った日はリエーフくんが夜久くん家に忘れ物を取りに向かっている途中だったみたい。
初めは偶然だったといえ
マルちゃんと夜久くんには当分足を向けて寝れないなっ。