第8章 恋のキューピッド
マルちゃん今日も居るかな!?
朝、通学路で見かけるニャンコ。
私を見付けると擦り寄って来て可愛いんだ。
その子に挨拶して学校に行くのが私の日課。
マルちゃん発見!
あらら、今日はマルちゃんに先客が……
銀髪の男の子がマルちゃんとじゃれてました。
ふふっ、マルちゃんお腹まで見せちゃってる!遊んで貰えて良かったね!
私はマルちゃんに向けてバイバイと手を振ると気付いて私の所にやって来た。
「ぅニャ~ン!」
可愛い鳴き声で足に擦り寄ってくるマルちゃん。
「マルちゃんおはよー!お見送りしてくれるの?ありがとね、行ってきます!」
私は挨拶しながら顎を撫でると
マルちゃんは喉をゴロゴロと鳴らせた。
マルちゃんから視線を外すと銀髪の男の子と目が合う。
吸い込まれる様な緑色の綺麗な瞳。
そして整った顔をした男の子。
私は暫く彼から目が離せなくなっていた。
はっ!何か喋らないと!
「は、ハロー?」
「この猫、オネーサンに懐いてるね!」
「うぁ!?日本語喋った!」
私はまさか日本人離れした顔の彼が
日本語で喋るとは思ってなくて思わず声に出していた。
「ごめん。俺日本語しか喋れない。
猫、マルって名前なんだ?」
「あっ、マルって私が呼んでるだけで……
お腹に丸い模様があるからマルちゃんなんです。」
「あっ、本当だ!お前はマルちゃんか~。
いい名前付けて貰ったな~。」
男の子はマルちゃんのお腹を触ってまたじゃれていた。
「あっ!こんな事してる暇無かった!
オネーサンじゃあね!」
マルちゃんとじゃれていた男の子は
思い立った様に立ち上がり軽く私に手を振って駅とは反対方向に行ってしまった。
猫背の彼は立ち上がると物凄く背が高くて
また私は驚いてしまった。
………名前聞けなかったな。
「ねぇ、マルちゃん。さっきの男の子格好良かったね!…………また会えないかな。」
「んニャン?」
さてともう学校行かないと!
「じゃあマルちゃんまたね!」
私はまたマルちゃんに手を振って
学校に向かった。