第6章 クロカンブッシュ
暫くして理緒が大きい箱を抱えて
キッチンから戻ってきた。
「理緒何持ってきたの!?」
「何でしょう?貴大開けてみて?」
テーブルに置かれた大きい箱。
俺は一気に開けた。
中には色とりどりなシュークリームが幾つも積まれていて綺麗だった。
「すげぇ!シュークリームタワー!
理緒が作ったの?」
「うん!これクロカンブッシュって言うの。学校の卒業製作で作ろうと思って練習してたんだ♪フランスではウェディングケーキとして使われてるの。シューはキャベツで子孫繁栄の願いと豊かな収穫を願ってるんだって。」
ウェディングケーキか……。
理緒のドレス姿綺麗だろうな。
ウェディングドレス姿の理緒を
想像した俺はにやけてしまう一方だった。
そしてクロカンブッシュを崩すの勿体なくって思わずスマホを取りだしカメラで撮影した。
「ふぅ、美味かった!理緒こっちおいで!」
思う存分食った俺はゴロリと横になり理緒を呼んだ。
「横になったら太っちゃうんだけどなぁ。」
理緒は少し不服そうにしながらも俺の隣で横になってくれた。
「なぁ、理緒。俺らの結婚式の時も
さっきの作ってよ。」
「結婚式!?まだうちら高3だよ?
気が早すぎだってば!」
「いーじゃん。俺は理緒としか絶対結婚しねぇもん。」
「フフッ、じゃあいつかプロポーズしてね?」
「おう、約束な!」
俺達はいつまでもこの幸せ続くようにと
指切りをした。