第5章 誕生日SS
[今日も部活なのー?京治の誕生日だからお祝いしたかったのに。]
「しょうがないだろ。そんな事で部活休む訳にはいかないんだから。」
[え~つまんないっ!]
電話で話す彼女の理緒はふて腐れていた。
「明日の日曜1日中付き合うから機嫌直しなよ。」
[今日じゃなきゃダメなの!……もういい!じゃあねっ!]
ブチッ……ツーツーツー……
一方的に電話が切られた。
……理緒を怒らせてしまった。
でもどうすれば良かったんだよ……。
俺は理緒に¨ごめん。¨と一言メールを送信し、少しへこみ気味で部活へ行った。
「ヘイヘイヘーイ!今日もあかーしスパイク練習頼むぞ!」
「…………はぁ。」
「あかーし!もっとテンションあげろー!」
「…………。」
俺は理緒の事が気になっていて
正直部活どころではなかった。
休憩中理緒からメールや電話がきてないかと確認するが全く連絡もなかった。
誕生日に喧嘩とか本当最悪。
それに理緒におめでとうの言葉も貰ってない。
俺は考えるだけで落ち込む一方だった。
夕方部活が終わる。
「先輩方お先に失礼します。」
俺は急いで帰って理緒に会いたかった。
「あかーし、ちょい待った!」
帰ろうとする俺を引き留めた木兎さん。
ここで油売ってる暇は無いのに。
そんな事を思っていると体育館の電気が消えた。
「けーじ!」
薄暗い体育館内に響く聞き慣れた声。
声がする方を向くと理緒がケーキを持って立っていた。