第8章 秀吉さんの微笑み
「政宗、いい加減に天女で遊ぶのはよせ」
「なぁんだ秀吉……やきもちか?」
「そうじゃない。仮にも天女は御館様の気に入りだ」
「俺には関係ねえがな」
「政宗!!だいたいお前は常日頃からだな」
「わかった、わかった。そう眉間に皺を寄せるなよ。さて、家康のところにでも行ってくるかな。
じゃあな、。またな」
「あ……うん」
私の頭を一撫ですると政宗さ……政宗は部屋を出ていった。
「さて、本題に入るとするか」
「本題……?」
「ああ。今日の夕餉だが、御館様が天女を所望された」
「信長……様が?」
「そうだ。御館様に粗相のないように、俺がみっちりと仕込んでやる」
「げっ……」
(なんだが面倒くさい予感がするんだけど)
「と、その前に」
「?」
「市に行くぞ」
「市に……?」
「付いてこい」
このお城に来て始めて外に出られるの?!
嬉しいんだけど。
「はい……!」
自然に笑顔になってしまう。
この時代の市ってどんな感じなんだろう?
「(笑うと可愛いな)」