第6章 天井から失礼します・・その2
「なあ……いつまで和んでるんだよ」
「ひいっ!!」
突然、見知らぬ声が上の方から聞こえて心臓が止まるかと思ったよ。
「急に声をかけたらさんが驚くだろ。少しは考えろよ、幸村」
「あー?これでも我慢して待ってやったんだぜ」
幸村と呼ばれた男の人は、佐助くんと同様に音をたてずに降りてきた。
なんなの?いったい……
「それよりもちょっとまずい状況だぞ」
「見張りの数か?」
「ああ……急に増えてるぜ」
「さんを逃がさないようにしてるのか」
「だろうな……それにしても天女って……」
「へ?!」
あご!!
私のあごをクイッてされてるんだけど!!
「案外人間くさい顔付きなんだな」
「っ……」
マジマジと見つめられて胸がドキドキと高鳴っていく。
安土城にいる人達は、私の事を疑うような、探るような目つきで見つめてきたのに。
この人は違う。
ただ、純粋に興味ある対象として私を見つめてくれているみたい。
真っ直ぐな視線から目が離せなくて、息を吸うのも忘れて見つめてしまっていた。
(それにイケメンだし……)
……思えばこの時代に来てから会う人、会う人みんなイケメンなんだけど
(それだけが唯一嬉しい事かも)