第5章 天女伝説?
大きな広間に通された私は真ん中に座るように言われた。
正面からむかって右側に光秀さんとタレ目の男の人が座り、左側には政宗さんと家康さんが座っている。
そして中央には脇息に肘をつきながら、氷のように冷たい眼差しで私を見据えているこの城の城主である織田信長さん。
私……これからどうなっちゃうのかな?
みんな変な勘違いをしてるし、そもそも天女って何よ?
だいたい私は天女なんかじゃない、ただの女の子なんだから
(成人済みの自分を女の子って言っちゃうあたりイタい発言だよね)
ちゃんと説明をしてこの城から出て行こう。
此処は私にとって危険な場所
自分でもまだよくわかっていないけど、これは夢じゃないんだもんね。
こんな訳の分からない所になんていたくない。
まずは信頼出来る佐助さんのそばにいた方が安全だよ。
「あの……」
「貴様が天女とやらか?」
「いえっ……その事で言いたいことが……」
「近くに来い」
高圧的な物言いに体が竦んでしまう。
「御館様のおそばに行け」
たれ目の人が顔をしかめて言い放つ。
わかっているよ、わかっているんだけど体がいうことを聞いてくれないんだもん。
それに実は……肉体的にもきてるんですよ……
(足が痺れて動かせないんだよー)
どうしたらいい?!
周りの冷たい空気の中、冷や汗が背中を伝っているんですけど……