第4章 天井から失礼します
「あ……ごめんなさい……おろして下さい」
「私の腕の中は御不満でしょうか?」
首を傾げてキラキラとした瞳に見つめられると、胸がドキドキとしてきちゃう。
(なんて可愛い人なのよ)
「不満とかじゃなくて……その……重たいので……」
「大丈夫ですよ。こう見えても力持ちですから」
「……そういう問題じゃないんだけど」
「信長様との謁見の前に身綺麗になりましょうね」
物腰柔らかい言い方だけど、結構強引な人なのかな?
私の言葉を無視してすたすたと歩きだしてしまう。
そういえば気になってたんだけど
「あの三成さん」
「三成……とお呼び下さい」
「親しくもないのに呼び捨てなんて無理ですよ」
「では__これから親しくなりましょうね」
「っ……」
心臓を撃ち抜かれた気がした……
なんて、なんていう笑顔なの?!
柔らかくて、可愛いくて……
それでいてちょっと色っぽい笑顔
「? どうかされましたか? 頬があかいですけど」
「あ……何でもない……です」
どうしよう……
ドキドキが止まらないんだけど
あまりにもドキドキしすぎて聞きたい事が聞けなくなっちゃった