第4章 天井から失礼します
し、死ぬかと思った……
どのくらい馬に乗っていたのか分からない
でも必死にしがみついていた私の腕はパンパンになってるし、お尻はジリジリと痛い。
大声をだしすぎたせいで口の中は渇ききっている。
「おい、おりろ」
「……無理です」
指1本でさえまともに動かす事なんて出来ないくらいに疲れきっているもん
「そんなに俺に抱きついていたいのか?」
からかうような声音に反論をしたいけど、それさえも今の私には無理
それにしても此処はどこ?
目の前には立派なお城
「此処は?」
「安土城だ」
「……安土城?」
どこかで聞いた事のあるお城の名前
(日本史をまともに勉強しておけば良かったかな?)
「お帰りなさいませ、政宗様」
「出迎えご苦労、三成」
「? 政宗様……そちらの姫君は?」
「天女だそうだ」
「え?! 違うよ! 私は天女なんかじゃない」
「初めまして、天女様。石田三成と申します」
にっこりと微笑むその顔……
天使?!
天使みたいに可愛いんだけど
「信長様が所望された天女だから丁重に扱えよ」
「わかりました__
さっ、天女様こちらへ」
両腕を広げて私を抱きかかえる体制をとる三成さん。
「ほら、早くおりろ」
「ちょっ!!」
無理やり腕を引き離され、背中を押されてしまい……
私ったら三成さんの腕の中にすっぽりと収まってしまった。