第2章 暗黙のルール
黒刃は一礼すると部屋を出て行った
樹里奈は手に持った小さなグラスを握りしめる
これを飲んだらもう後戻りはできないであろう、と思う
サインした契約書を握りしめ、一気にそれを飲み干した
喉がかぁっと熱くなったが、躰には何も変化はなかった
樹里奈は安心して、通路へと消えて行った
「こちらへどうぞ」
理人は仕事をする机に座っていた
黒刃に促されて、理人の前まで来る
「いいのか?樹里奈・・・契約したら後戻りはできないぞ」
「はい」
樹里奈は理人に契約書を差し出す
「ふむ・・・では、今この時から樹里奈もこの屋敷の住人だ。
今後は俺の許可なく屋敷の外へ出る事はできない。
その身をこの屋敷の為に捧げろ」
「はい・・」
「いい子だ・・・それに今日の衣装はまるで嫁入りだな」
理人は満足そうに樹里奈を見る
「あれは飲ませたか?」
「はい」
「あの・・・あの飲み物は一体・・・?」
「別に怖がることはない。ただの避妊薬だ」
「避妊薬・・・」
「今までも知らないうちに飲まれていたんですよ。
ただもう隠す必要もないかと思いまして・・・」
黒刃がしれっと答える
「そうだったんですか・・」
樹里奈はほっとする
「今日は特別肌がきれいだな・・」
理人は樹里奈を抱き寄せ、肌に手を這わせる
「お前を抱きたい・・・いいか?」
「はい・・・ご主人様」
理人は満足げに頷くと、樹里奈を抱き上げる
「黒刃、後は任せたぞ」
「わかりました」
理人は寝室へと消え、黒刃も部屋を出て行った
「樹里奈っ・・」
理人は樹里奈をベットに下した途端、樹里奈を押さえつけ体中にキスを落とし、赤い華を咲かせていく
チリっ、チリ・・・とキスをされる度に熱く痛む
「いい躰だ・・・所有印が綺麗につく・・・」
理人は舌なめずりすると、樹里奈の唇に噛みつくようなキスをし、舌を濃厚に絡める
樹里奈の口からは飲みきれない唾液が唇からこぼれる
はぁっ・・・と甘い吐息を吐く樹里奈にがむしゃらに理人は身体を求める
ベビードレスは引きちぎり、躰中を舐め、胸に乱暴に手を這わせながら、蕾を捏ねくる
「やぁっ・・・ご主人様っ・・・激しい・・ですぅっ・・・」