第8章 それは青春のような*
ぱちり。
雪「ん……あ、朝だ…」
日光がふんわりと私たちを照らしていた。
__目の前にはカラ松の寝顔
……いつも通り、安心する香りだ。
雪「……カラ松って気が抜けると俳優いける顔してるよね…」
まぁ皆、同じ顔なんだけどね。
昨日泣いていたカラ松の目もとは腫れていた。
なんとなく、気になって目元をつついてみる。
カ「……ん」
雪「!(あっ起きちゃったか)」
すっと手をのける。
カ「……すぅ…。」
雪「(起きてない……)」
…起きてないみたいだ。起こしたら悪いもんね……。
雪「昨日の疲れたまってるだろうしな……」
ごめんなさい。心のなかで雪は謝った。
でもどうしようかな……目が完全覚めちゃった。
カラ松を起こすのは流石に悪いし、
かといって暇だし……うーん…
雪が暇すぎて考えているその時だった。
……ガタッ
雪「__!!」
ドアから聞こえた……。
誰かがいる__!
雪「(…黒の奴等が忍び込んできたとか……ないよね)」
じっとドアを見つめる。
__誰だ?誰がいるんだ…?
もしも、黒の奴等が盗聴をしたりしているとしたら……
あいつらなら、容易にできるはずだ。
雪「ごめんカラ松……起きないでね」
カラ松が起きないように。願いながら音をたてずに布団からでた
音をたてないように、そろりとドアの近くにいく。
ドアに耳をたててみた
__少しだけ物音が聞こえる。音からするに……一人か?
雪「……誰だ?__仕方ない。一応覚悟していくか…」
深呼吸。そして3、2、1__
__ガチャッ
ドアを盾のようにし、思い切り開けた。
?「うわっ!?」
雪「…!」
誰かいた!
そのまま左腕をそいつの首に押し付けた。
__誰だ!
雪「……え、十四…松?」
十「ひぇ……」
じゅっ…十四松!?
雪「あっ……えっ、十四松だったの!?」
首に押し付けた腕をのけた。
十「ええっと……ごめんなさい…」
雪「いやっ!私がごめん!!黒の奴等かと思っちゃって……」
本当に悪いことしちゃった__
あれ?でも何で十四松が……
雪「…あれ、そういえば何でここにいるの?」
十「う゛っ」
十四松はそっぽ向いた。
雪「……何も怒んないから」