第6章 ナメたら死にますよ?
雪「──ん?」
ト「……すぅ」
ふと気づくと日差しが目を刺し朝を知らせていた。隣を見るとトド松が寝息をたてている。昨夜私達が、ドロドロに溶けて混ざりそうなくらい、深いキスをしたことが脳裏に蘇る。
何で突然、演技とか関係なくトド松は付き合ってもないのに私にキスなんてしたのだろう?それに私だって、何で嫌がらなかったのだろうか?いつもなら仕事と割り切っていない限りは嗚咽が出てしまうのに。
雪「何で、嫌じゃなかった……のかな」
何となく疑問の彼に目を向けていると彼は可愛らしい欠伸を一つして目を覚ました。
ト「ふぁあ……あ!おはよ、雪ちゃん」
雪「!、おはよう」
トド松は眠そうに微笑みつつ、存在を確かめるように雪の頬を撫でた。それに特に反応もせず雪は昨日のことについて聞いた。
雪「ねぇトド松」
ト「……ん〜?」
雪「何でキスしたかったの?」
ト「?──え゛っ!?」
事を理解したのか彼は一気に顔を赤らめる
雪「何で?理由はないの?」
ト「……もう、今言わなきゃダメ?」
ぷくーっと頬を膨らませ躊躇する彼に余計わからなくなる
雪「つまり?」
ト「昨日、おそ松兄さんに告白されたでしょ」
雪「!?」
ト「あったり〜」
つい驚いてしまいしまったと言わんばかりに手を口に当てる。まさか気づかれていたとは思わなかった
ト「見てたらわかるよ、あんなに仲良くなってるし」
ふふふ、と笑いつつ彼は続けた
ト「僕焦っちゃったんだ、おそ松兄さんに取られるかもって」
雪「焦るって──」
雪が言い終わる前にトド松は雪を抱きしめた
ト「僕ね、出会った時から雪ちゃんのこと好きなんだ」
雪「!?」
トド松も私のことが好き──!?
ト「もちろん一人の女の子としてだよ?…雪ちゃん」
雪「ええっと……」
ト「ごめんねトラウマがあったのに、無理やりキスなんかしちゃって──好きで好きで好きすぎて……我慢できなかった」
雪「……嫌じゃなかったから、大丈夫」
ト「そうなの?安心した、嫌われちゃうかと思った……」
トド松は抱き締める力を強める
雪「気持ちは嬉しい、ありがとう。でも私──」
ト「あ、言わないで、今すぐ返事はいらないから。」
雪の答えをトド松は人差し指で口を封じ止めた。
ト「今はいい、わからないんでしょ?でも大丈夫──」