第16章 機転
雪が考えて導き出した結果
自己犠牲だった
私には背負えない
それが私の……答え
今まで人を自分が生きるためとはいえ
殺してたのは事実だけれど
それでも
私はどうしても__彼らを殺すことが出来ない
だから私は自分を殺すしかない
雪は最後くらいは笑顔でいようと
にこり笑んでから口を動かそうとした
おそ松にその答えを言おうとした瞬間
雪「__っ?!」
お「お、おい雪?大丈夫か?」
心配そうにおそ松は雪に声をかける
雪は自分の身体に異変を感じていた
雪「(なんで?話せない……!)……!?」
思い通りに口が
体が動かなくなってしまったのだ
おそ松に助けを求めようと声を出そうとした
その時__私は気づいた
雪「……!」
お「???どうした!?」
私が死んでしまったら
私は二度とおそ松どころか皆と……
話すどころか見ることも会うことも
……考えることも出来なくなることに
師匠がいないかもしれない世界へ
行ってしまうことに
このまま諦めて死んでしまったら
私は……
雪「い……やだ」
お「……ゆ、雪?」
カ「……?!」
ぽたり
涙が零れた
雪「……私__っ?!」
お「?!ゆ、雪……?」
頭が痛い……!
普通の頭痛じゃない、何これ!?
雪「ああああああっ!!」
お「雪!!」
雪は痛みに悶え苦しみ
遂には声が枯れそうなほど叫んだ
ヒ「……あ〜おかしくなったかアレ」
ア「……おい松野カラ松?生きてる?」
カ「……?何だ」
ギロりとアキラらをカラ松は睨む
ア「この際だしアンタも動けるなら
あっちいってもいーよ」
雪たちの方を指さす
カ「!」
ア「いきたそうだな、ほらよ」
アキラは念のため虫の息だったカラ松に
向けていた銃口をしまう
カラ松は一目散に雪のもとへ急いだ
ヒ「ったく後七分か……
長いねぇ……」
ア「気長に待とうよ、
そろそろ終わるだろうから」
ヒ「……まあそうだが」
ア「……ククク」
ニヤニヤする彼を横目で見ながら
ヒジは雪たちに目線を移した
……雪の声は小さくなってきていた
…
お「雪?!雪!!」
カ「どうしたんだ!?」
お「わかんないよ俺も……!」
隅の方で二人の声が聞こえる
頭が……ぼやける
何故こうなったのか
何故今こうなっているのか
わからない
ただただ頭が痛い……