第2章 私の隣
1時間後
病院から帰る途中
カ「どうした雪ちゃん」
病院へ向かったのは私だけではなく
付き添いとしてカラ松も共に来てくれていた
早々迷惑をかけてしまっている
雪「だって__」
それは一時間前
かけた迷惑以外に貴方には疑問はもう一つ
何故カラ松が付き添いとして選ばれたのか
…
お「とりあえず雪ちゃん
見てもらわない?その傷」
改めてよろしくといい
それからひと段落したところだった
その場の賑やかな空気を止めたのはおそ松だった
完全に忘れていた素振りを雪は見せ
自身の傷に触れ笑う
雪「ハハハ……一ヶ月で治るかな?」
チ「いやどうみても無理でしょ!」
ですよねと雪は照れ笑いをした
どう考えても笑えるネタとは到底思えないのはこの場にいる皆がわかっていたことだったが
チ「でも病院に行かなくちゃ行けないし1人で行くのは危ないよ」
ト「なら誰かついていこうよ」
雪「そんな」
一人でも行けると言いかけた雪を
遮ったのは一松だった
一「遠慮してる場合じゃないでしょ」
雪「……ハイ」
確かに遠慮言ってる場合じゃない、暫く黙って聞くこと徹した
然し誰が行くかが問題だ。集団で行けば怪しまれるのは当然。
アドリブのきく強い誰かじゃないとガードマンの意味をなさない
皆頭を抱え悩んでいた
チ「喧嘩強くアドリブがきく……」
お「俺無理頭悪いし」
チ「僕は自信ないかな……」
おそ松はたまたまカラ松と目が合った
お「……カラ松、お前強いよな」
カ「え?」
ト「いざという時強いし演劇部だったしなりきるの上手いんじゃない?」
お「お前行けばいいじゃん」
…
ということがあった訳で
カ「確かにあれはヤバかったな」
雪「でもありがとう、助かった」
カ「本当か?!」
そしてヤバかったこと……それは
…
医「花岡さんにソックリですね」
担当医師の第一声がそれだった
雪「そ、そんな」
医「まさか本当に……」
これはヤバイ
そう思い演技しかけたその時
雪「『私__』」
カ「まさか!ご冗談を!ハハハハ……」
カラ松は突然声をあげ演技し始めたのだ
それに私も便乗し
雪「『悪かったな、そうじゃ無くて!』」
カ「安心しろ!無理だから!」
カラ松は雪の頭をがしがしと撫でた
雪「『お兄ちゃん辞めて!』」
口をぽかんと開けたまま
医師は止まってしまった