第8章 それは青春のような*
雪「続き……?十四松、さっきチューしたら帰るって約束__」
ピカッ
言おうとしたら、車のライトが明るく私達を照らし出した。
暗闇で見えなかった十四松の顔が光で一瞬、見えた。
__まるで、野獣の顔。
ゾクリ
背筋に冷たいものが走った。
まるでいつもの奇想天外な振る舞いの十四松が仮面のように、
照らされ一瞬見えた顔は野獣のように鋭かった。
雪「あ……」
十「もう少しだけ、駄目?」
雪「じゅ……しま__」
名前を言おうとしたらぎゅっと抱き締められた。
十「…俺ちょっと……ヤバいかも…」
雪「っ……!」
すんすんと十四松は雪の首の辺りを匂ぐ。
十「ん……いい匂いする…」
雪「十…四ま__」
がぶっ
首と頭の境目に痛みを感じた。
雪「___いっ」
十「…あ、ごめん……噛んじゃった…」
雪の首と頭の境目に十四松の八重歯がぷつんと刺さった。
雪「っつ……大丈夫…だけど、十四松……帰んないとっ__」
十「んっ__」
口を少し大きく開けた雪を十四松は見逃さなかった。
そのまま、舌をいれる。
雪「んっ…んむ……」
十「っんん……ふ……雪ちゃんの口、甘くて美味しい…!」
雪「…約しょ……んむっ!?ん…(駄目、このままだと……)」
十四松に食べられてしまう。
そう思い、雪はぐっ…と十四松の肩を押す。だが、
ガッ
雪「んんん?!///」ビクッ
十「んん……んんむ…」
駄目、離れないで。
そういうかのように十四松は雪をさらに強く抱き締めた。
さすが野球で鍛えられた腕といったところか、
無意識でホールドしているにしても強く、逃げれる気はしない。
十四松は体力も肺活量も演技で鍛えられた私よりも、うんと大きく強いので
無意識に長いキスをする十四松についていけなくなってきていた
思考もだんだんぼやけてきて、くらくらとした頭は使い物にならず、肩を押していた手は下へとずり落ちていった。
雪「んん…(あ……ダメだ…もう、力……はいんない…)」
十「ん…っふ……んん」
約束なんてもう消えてしまい、
十四松が満足するまで、雪は十四松と深いキスをし続けた。