第20章 学園島
怜「そう、こっち。」
怜はいつの間にか幼い姿になっていた。
先ほどの建物とは違い、木の生い茂る場所に二人は立っていた。
怜「・・・単純な子。でも扱いやすくていいかしら?」
そう言ってしばらくして、怜は舌打ちをする。
怜「・・自ら寿命縮める奴は初めてかな。」
突如響き渡る声。
“フハハハハッ!!逃がさないよぉ?逃げても無駄。お前らはぜーんぶオイラの物さ!踊れ!踊れ!!死ぬまで踊れ!!オイラの手の中で輪になって!!そして、全て寄越せ!!お前らの能力m”
頭に響いていた声が途切れた。
多々良「・・・怜・・ちゃん・・・?」
怜「おふざけをする子はね・・・大嫌いよ・・・!!」
目の前にスタンッと降りて来た少女。
「・・・!どうしたの?迷子??」
怜「随分といい度胸してるわね。その度胸だけは認めてあげる。無色の王。」
「な、なに言ってるの・・・?」
怜「笑い、隠せてないわよ。」
無色「・・・フフッ!ハハハハッ!!どうして分かった?」
怜「・・愚かね。」
ふと、無色の王の目は男性に移った。
無色「な・・んで・・・お前はオイラが殺したハズ!!!」
多々良「何でって・・・死んでないから?」
無色「そんなハズない!!だって、あの日オイラは確かに撃った!!」
怜「ご丁寧に証言をありがとう。」
ハッと幼い少女を見るも、手遅れである。
無色「お前、何者だ!!」
怜「貴方を越える者。」
スッと手を上げると同時に怜の手の中に落ちて来た何か。
怜はそれを広げる。
扇だ。
無色「そんな物でオイラが止まるものか!!」
無色の王は怜に飛び掛かる。
しかし、怜はひらりとかわし、無色の王の足に扇で一撫でする。
すると、カクンッと座り込んだ無色の王。