第19章 力
赤の王が堂々と脱獄をした。
ひこからその連絡を受け、怜は多々良を起こす。
怜「多々良。多々良。」
多々良「ん・・・どうしたの?怜ちゃん??」
怜「周防尊が脱獄した。」
多々良「・・・え、キングが?というか、キング入獄してたの!?」
ガバッと飛び起きた多々良。
怜「そうだけど・・・。」
多々良「・・・知らなかった。」
怜「・・抗争があった事は?」
多々良「・・・あ、その時に?」
怜「みたいだよ。」
多々良「・・・伏見、怜ちゃんには情報ダダ漏らしだねぇ。」
怜「大丈夫私もダダ漏らし。」
多々良「え、俺が生きてるのも?」
怜「それは言ってない。・・・青の王が感付く。」
多々良「・・・そっか。それで?キングは脱獄して何処に?」
怜「葦中学園よ。」
多々良「・・・学園島?なんでまた・・。」
怜「伊佐那社が今いる場所だから。」
多々良「・・・キング、まさか。」
怜「そのまさか、かもしれないわね。」
多々良「怜ちゃん。」
多々良は真剣にこちらを見ていた。
怜「言われなくとも連れて行くよ。そこに、貴方を殺そうとした本人がいるけどね。」
多々良「・・・無色の王。」
怜「何にでもなれるみたいね。無色の王。“人と人を渡る”事だって出来るみたい。」
多々良「・・・!」
ならば、この前会った少年の中には・・・。
スパァンッと扉を開く怜。
怜「御前、ヘリ借りるよ。」
大覚「・・・あぁ。」
怜「・・・御前。」
怜は気付いていた。
怜「貴方は間違ってなんかなかったのよ。」
大覚「・・・!」
“大覚、貴方は間違ってなんかないわ。”
怜は多々良を連れてヘリポートへと来た。
そこには待機済のヘリ。
怜「行くよ。」
多々良「うん。平気。」