第15章 発見
ぱちりと目を覚ますと、目の前には人の顔。
志摩「・・・ふぁ?」
「あ、起きましたー?」
志摩「・・・多々良?」
多々良「おはよう、志摩さん。体調は?大丈夫??」
志摩「大丈夫だけど・・・近い。」
多々良「久しぶりの志摩さんだから、ついね。」
草薙「志摩さん、スープ飲めます?飲めんかったら十束が飲むんで気にせんで下さい。」
志摩「出雲が作ったんでしょ?飲むよ。ところで、ここは?」
草薙「BAR HOMRAです。」
志摩「そっか。ありがと。」
ベットから出て初めて気づく。
自分の服じゃない。
草薙「すんません。俺の服です。少し大きいみたいですけど・・・。」
残念ながら少しどころじゃない。
Yシャツ1枚羽織ってるだけなのに下着は隠れ、シャツの腕の袖は余っていた。
志摩「・・・多々良、服。」
多々良「似合ってるよ?」
志摩「これじゃ出れない。」
多々良「・・・出さないって言ったら?」
志摩「多々良はいい子だからしないよね。」
多々良「・・・その言い方はズルイですね。志摩さん?」
諦めたように笑う十束。
多々良「家から持ってくるので下で待っててください。」
志摩「はーい。出雲、行こっ。」
草薙「ちょ、志摩さん!?」
草薙の手を引っ張って階段を駆け下りる。
降りた先には、多くの人々がいた。
志摩「・・・。」
草薙「こらお前ら、ガン飛ばすな。」
クラウディアこと大和志摩の足首には枷の跡があった。青くなっていて、痛いであろう事は明確だ。
草薙「志摩さん、ここ座って待っててください。」
カウンターの席へ促すと、草薙はキッチンに入った。
志摩の隣には周防尊。
アンナが近寄り、尊の反対の席に座る。
アンナ「・・・志摩。」
志摩「ん?あ、えーと・・・。」
アンナ「櫛名アンナ。」
志摩「アンナちゃん。どうしたの?」
アンナ「食べさせる。」
志摩「・・・?」
草薙がキッチンからスープを持って出てくる。
コトリと志摩の前に置いたが、それをアンナが持つ。
草薙「アンナ?」
スープをすくって、志摩の前に出すアンナ。
志摩「・・・君には何も誤魔化せないみたいだねぇ。」