第15章 発見
バレるの、嫌だったんだけどなぁ。
なんて思いながら立ち上がろうとした時だった。
ドカァンッと音がして、扉が吹っ飛び、クラウディアの目の前にいた男も吹っ飛んだ。
扉の方を見れば、見た事のある人物達。
「クラウディアさん!?」
志摩「出雲・・・!」
吠舞羅の幹部、草薙出雲と。
「お前ら・・・いっぺん死んどけ。」
ひこがお気に入りの、八田美咲。
あっという間にあいつらは倒されて、私は少し安堵した。
草薙「志摩さん、大丈夫ですか!?」
草薙出雲はクラウディアの本名を知っているらしい。
志摩「出雲ぉ・・・!!」
縄を解かれたクラウディアこと、志摩はガバッと草薙に抱き着いた。やはり、怖かったのだろう。
少し罪悪感が芽生えた。
美咲「・・・チッ。あいつら、こんな子供まで誘拐してやがったのか。」
私はクラウディアに捕まって、クラウディアが捕まったからここにいるんですけどね。
草薙「ミツキちゃんも無事か?」
草薙は器用にクラウディアを抱えたまま私の縄を燃やした。本当に器用だなぁ、この人。
草薙「ミツキちゃん見失ってしばらくしてな?アンナが泣き出してもうて。ミツキちゃんが危ないって、今まで見たこと無いくらいに大泣きしてたさかい。後で会ってくれんか?」
私は迷わず頷いた。
彼女に助けを求めたのは私で、彼女を泣かせたのも私。会わないわけにいかないだろう。
草薙「・・・八田ちゃん。」
美咲「・・・お、俺は八田美咲。八咫烏って呼ばれてる。」
怜「みつき。ドアこじ開けてくれてありがと。」
美咲「お、おう!」
怜「・・・カラス。」
美咲「・・・俺のことか?」
こくんと頷く。
美咲「あー・・・いいよ、名前で。」
頬をかく八田美咲。
彼は名前で呼ばれるの嫌がってるはずなんだけど・・・。ま、いっか。
怜「美咲。」
美咲「おう!」
ひこに言えないな、これは。