第15章 発見
嫌だなぁ。
パタパタと走りながら思う。
きっとアンナの予測したのはこれであると。吠舞羅が今抱えている問題の人間のうちの数人がこいつらであると。そして、こいつらはストレイン。
追いかけてきているのは3人。
「待てや!!」
ボコォンッと地面が沈む。
一人は物をへこませる能力のようだ。
「あー、ダメダメ。こっちこっちー。」
のほほんと声を出しながらふわふわと浮いてこちらに飛んできている能力者。これになら捕まっても致し方ない。
「逃がすと思うなよ?」
ビュンッと左頬を掠めた縄。
こいつ、紐なんか持ってなかった。つまりは縄を操る系の能力者だ。
こいつが一番厄介だ。紐は自在に伸びる。うまく音を聞き分けて避けなければ捕まる。
ヤバイ組織なのだろう。上手いこと人を使えている。
飛べるストレインがいるのであればビルの乗り移りなんて時間の無駄だ。
隠れようにも距離が伸びない。
嫌になるね。
住宅地に逃げ込んだ私。さすがに一般人には手を出さないように言われているようで家に危害を加える様子はない。
それを見て、私はマンションに駆け込んで最上階まで登る。
「もう逃げきれないね?」
「じゃあもう捕まえていいー?」
怜「嫌よ。」
怜は廊下の柵に手を掛けて飛び降りる。
真横の一軒家の屋根上に着地してパタパタと駆けていく。
男たちは呆気に取られたが気を切り替えて追いかけてくる。
「アイツっ!サルかよ!!」
怜の体力は底を知らないかのように屋根上をタンタンと飛んでいく。時には大きなマンションの柵に捕まり、ひょいっとよじ登ったりする。
一方男たちは能力を使いながら追いかけてくるので、体力が削られているようだ。
何とか視界から消えれる距離まで伸ばし、怜はとあるマンションの屋上に繋がるフロアで息を整えていた。
怜「どうしよ・・・。」
ひこに連絡しようかとも思ったが、ひこはきっと機嫌が悪い。かといって御前に連絡するのも親に連絡するのも嫌だ。
残念ながら吠舞羅に連絡するなんて考えもついてないし、連絡先も知らない。
「みーつけた。」