第12章 親子
父「伏見くん。」
そう問いかけられてハッとした。
父「そのイヤリングは、怜のつけているのと君ので1つだね?」
伏見「・・・はい。」
父「・・・知っているかも知れないが、怜は名字を変えたがっている。君と一緒がいいと。伏見くん、君さえ良ければなんだが・・・。」
満月に、名字を変えないかな?
伏見「・・・は・・。」
父「突然名字が変わったら職場でも困ると思うから、今すぐ決めなくていいよ。けど、検討してみてくれないかな?」
伏見「いいですよ。今すぐにでも。」
父「即答してるけど本当にいいのかぃ!?」
びっくりしたようで父親はガタリと立ち上がった。
伏見「ただ、職場には絶対言わないでください。面倒なんで。」
父「あー、宗像くんもちょっかいかけそうだもんね。いいよ。」
「よかったじゃない怜。伏見くんうちに婿養子になるって!」
「ひこは名字変えていいって言っただけで婿になるなんて言ってない。」
そんな会話が聞こえてきたと思ったら、部屋の扉が開いた。
そこにいたのは、怜と母親。
怜「ひこ、満月になったら、お父さんとお母さん引退したら満月財閥継ぐんだよ?いいの?」
伏見「怜と一緒にいれるならそれでいい。」
そう言い返されてボフッと顔を赤らめる怜。
怜「・・・ひこ、たらし。」
ぷいっとそっぽを向く怜。でも、嬉しそうな顔をしている。
母「そうとなれば早く結婚式挙げましょ!今すぐ準備しましょ!!」
怜「今は籍変えるだけでいいでしょ。後継ぐわけじゃないんだし。」
母「私は早く怜の花嫁姿と猿比古くんの婿姿がみたいのよ。」
父「まぁまぁ。伏見くんは職場にはバレたくないそうだから、今は籍だけいれよう。」
母「・・・わかったわ・・。」