第8章 紅
櫛名アンナ。ストレイン。
最近吠舞羅に入った少女だ。
感応能力により、人の心を読めるストレイン。
アンナ「会える。絶対。」
あぁ、きっと怜を知っているのだろう。
怜が何処にいる、とか、分かるわけもない質問をしてみる。
きっと、この少女は、怜という人間の外見ではなく、怜という人格を知っているのだ。彼女はそういう人間で、怜もまたそういう人間なのだろう。
“ひこと一緒。”
怜。お前の事は思い出した。
どこにいるんだ?怜。
何で、怜は成長していないんだ。とか、何でアンナと知り合いなんだ、とか、言いたい事はいっぱいあるけど、でもそれ以上に言わなきゃいけない事がある。
ごめん、怜。忘れていて。
悪い、怜。すぐに迎えに行けなくて。
悪い、怜。早く会いたい。
悪い、怜。絶対に見つけるから。だから、
見つけたら、こんな俺と一緒にいてくれないか?