第31章 新世界
「怜っ!!」
部屋に戻ると怜に駆け寄って来た人物。
怜「ひこ?」
猿比古「心配した・・・。」
怜「ごめんね、ひこ。」
猿比古「・・・平気なら、いい。」
怜「あのね、ひこ。」
猿比古「?」
怜「王を、作らないようにしようと思って。」
猿比古「・・・それ、石盤に怜がもっと関与するんだよな?」
怜「うん。・・・でも、平気。」
猿比古「・・・うそつけ。」
そっと怜の頬に手をそえる猿比古。
猿比古「・・・もう、ごめんだ。あんな思い。」
怜「・・・ごめん。ひこ。」
猿比古「よこせ。」
怜「・・・え・・?」
猿比古「怜の抱えてるの、半分寄越せ。」
怜「な、に言って・・。」
猿比古「一人では負担でも、2人じゃ負担じゃねぇかもしれないだろ。」
怜「だって、ひこ、わかってる?王になるって事だよ?」
猿比古「力を振り回さなきゃいいんだろ。」
怜「でも・・・!」
猿比古「お前だけ独りなんて、おかしいだろ。」
怜「・・・ひこ・・。」
猿比古「俺も立たせろ、そこに。」
怜「・・・本当、ひこ・・好き。」
ポロポロと涙を零しながら笑う怜。
怜「大好き、ひこ。離してなんか、あげないよ?」
猿比古「ハッ。上等だ。」