第30章 御柱タワー
志摩「玉依は怜の母親の写真を見てた。でも、母親を見てはいなかった。」
淡島「・・・どういう事?」
志摩「玉依はずっと、母親のお腹に指を当てて見てたから。」
礼司「・・・なるほど。それは本人に聞かなければわからないですね。」
志摩「・・・玉依は言ってた。ヴァイスマンに会う事があれば言ってほしい事があるって。」
シロ「!なんて!?」
志摩「ありがとう、ヴァイスマン。貴方のおかげで私は一人じゃなかったわ。」
シロ「・・・!」
志摩「月から聞いた。怜はそう貴方に言ったと。」
シロ「・・・うん。確かに聞いた。」
月「この事から、女王は過去も未来も見える、もしくは何らかの形で前女王、次期女王と繋がれるのではないかと予測した。・・・怜本人が起きない事には何も言えない。」
シロ「・・・その辺りの事は本人に聞こうか。」
礼司「・・・では、話を変えましょう。伏見くん。」
猿比古「・・なんですか。」
礼司「君の情報が何一つ出ませんでした。以前なら、伏見猿比古と調べれば何かしら君のデータが出たのですが、現在はこの通りです。」
スッと宗像は端末の画面を見せる。
検索にヒットする人物は存在しません。
美咲「・・・!」
礼司「君に連絡を取ろうにも、端末が変わっているのかこちらからは何一つ連絡が出来ませんでした。これはどういう事なのでしょう?」
猿比古「・・・。」
琥珀「端末の事なら、私が壊したわ。」
礼司「ほぅ・・・何故?」
琥珀「JUNGLEに登録したからよ。データは盗まれてるしハッキングはされやすくなってるしで、勝手に壊したの。本人には新しい端末を渡してあるわ。」
草薙「ほんなら、残りの謎はなぜ伏見猿比古という人物が存在しないのか、やな。」
猿比古「・・・伏見猿比古という人間はすでに存在しないからですよ。」
礼司「・・・では、今私達の目の前にいる貴方は誰なのですか?」
猿比古「・・・満月猿比古、です。」
美咲「・・・は?ミツキ?」
猿比古「俺、一応満月怜とだいぶ前に籍入れてるんで。」
「「「はぁぁぁあああっ!?」」」