第4章 デートだけどデートじゃない!
「花乃、次は何がいい?」
「う”~……あんなに速いジェットコースターだとは……。」
「僕は花乃がこんなに乗り物しやすいってことにびっくりだけど(笑)」
「なにおう!?」
「じゃ、次はコーヒーカップに乗る?」
「……は……?」
蛍の言葉に私は思わず耳を疑った。
(蛍がコーヒーカップ!?まさか蛍って乙女チックだったの!?)
すると、蛍はムスッとしながら言った。
「女子って普通、こういうのが乗りたいんデショ?そんなに驚かないでよ。こっちだって結構気を使って……」
そこで蛍はしまったというように口を押える。
気を使ってる?
あの蛍が……?
「とにかく、乗りたいのが無いなら早く行く!」
顔を少し赤く染めながら蛍は私の手を少し乱暴につかんで引っ張る。
私は少しこけそうになったけれど、しばらくしたら蛍もゆっくり歩くようになったので助かった。
(やっぱり……本当に気を使ってくれてる……?)
私は少しドキドキし始めているのを感じていた。
「(蛍……)」
名前を呼ぼうとしたけれど、蛍の横顔を見ると声が出なかった。
蛍の表情もいっぱいいっぱいというように張り詰めた雰囲気を出していたからだ。
(こんなこと、考えてもいい?)
私は思わず、自惚れそうになってしまう。
(私の事が、好き?)