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My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



「っあ…ッあ、あぁああ…!!!」


 嫌だ


 受け入れるはずだったのに、痛みで隅に追いやられた僅かな"私"が否定する。
 恐怖して跳ね除けようとする。


 嫌だ
 やめて
 怖い
 誰か


「あぁあぁあ!!!」


 叫ぶ。
 吼える。

 悲鳴の中でぱたぱたとシーツに滲む透明な滴。
 目の前が霞んで滲む。

 ──涙だ。
 私…泣いてる?

 そんなことも朧気にしかわからない。
 それ程に、ビキビキと額が割れる感覚に意識は塗り潰された。










 ──怒レ

 ──怒レ

 ──怒レ










 駄目だ、もう。
 痛みと怒りしか感じられない。





 誰か

 だれか










 だれか たすけて










「──っ…ぃ…!」










 誰かの声が、聞こえた。

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