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My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



 わかり難いけどわかるようになった、そんなユウの態度にふわふわしていたのも束の間。


「それよりお前、AVってなんだコラ」

「いふぁいっ」


 むにっと頬を抓まれた。


「一体誰に借りたんだ。馬鹿兎か」


 え、ラビってそんなふうに見られてんの。
 …まぁわからなくもないけど。

 でも違います。
 ファインダー仲間です。


「違うよ、自分で借りたというか…なんというか…」


 でもここでそう告げれば、明日はユウの前でファインダーの屍の山ができてしまう。
 それは流石に避けたい。
 仲間は売れない。
 というか私も巻き込まれそうで怖い。

 だから咄嗟に取り繕って言い訳をした。


「……」


 でも、じーっと見下ろしてくるユウの目は完全に疑っている。
 わあ…信用されてない…。


「ほ、ほら。ユウだって一度は興味持つでしょ?私も好奇心で借りたというか…なんというか…」

「興味なんてねぇよ」


 取り繕うように続ければ、すぱっと簡単に切り捨てられた。

 嘘。
 本当に?


「あはは、まさかー。男なら誰だって一度は通る道でしょ」

「ねぇもんはねぇつってんだろ。何情報だそれ。勝手に決めつけんな」

「まさかー」

「二度は言わねぇ」

「……まさかー…」

「……」


 ………まさか。


 流石は美女にも無関心な人。
 性欲ってものないんじゃないの…いやそんな訳ないか。
 私とは人並みに体重ねてるし。


「言っただろ。俺が興味持つのは欲しいもんだけだ」


 未だユウの足の間に座り込んだままの私の顔に、その手が伸びる。
 頬に添えられる掌に、親指が私の唇をなぞって──…って待て待て。


「そ、そろそろ帰らないと!」


 慌ててその場から身を退くように立ち上がる。

 駄目だ、これ以上此処にいたらまたあっちの流れになってしまうかもしれない。
 今の私の体もユウの影響か僅かに火照っていて、流されたら強く抵抗できない気がした。

 よし、逃げよう。

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