My important place【D.Gray-man】
第39章 夢現Ⅲ
「大丈夫だよ、出しても。ちゃんと受け止めるから」
そんな些細な反応が嬉しくって、つい笑みが漏れる。
この人の為に何かしたいって思えて。
「受け止めるって…言ってる意味わかってんのか」
「え? 口で受け止めるってことでしょ? 定番なんでしょそれ」
「なんだ定番って。誰の入れ知恵だそれ」
「……」
「オイ。誰だそんなこと言った奴」
あ、まずい怒らせちゃった。
怖い顔で聞くもんだから、思わず黙り込めば眉間の皺が増えた。
入れ知恵というか…自然と入ってきたものなんだけど。
職場は男所帯だし私のことを女扱いしてるファインダー仲間は少ないから、いつも一緒に過ごしていれば、雑談の中に男性特有の性話なんかも入ってくる。
皆、普通に好みの女性とかAVの話とかしてるし。
私も私でふんふんと聞いてたら、色んな知識で埋まってしまった。
つまり私の浅い知識は、男性好みのAVでできています。
はい。
「えーっと…借りたAVで勉強しました」
「阿呆かっ!」
「ぁたッ」
とりあえず仲間を売る訳にはいかないと半ば本当のことを言えば、秒殺で頭を叩かれた。
いつもより力は弱いけど、しっかり叩かれた。
ちょ…っフェラ中に頭叩くって。絶対誰もしないと思う。
ユウだけだよそれ。
「道理でやけに手慣れてやがった訳か。何処にAV見て勉強する女がいんだよ」
此処にいます。
…って言ったらまた叩かれそうだからやめとこ。
「いいじゃん、無知より…」
「変な知識入れ込むな、そっちのが厄介だ」
「変なって…AVを馬鹿にしたら駄目だよ。今のって凄いんだからね。女性用AVなんてあるし。前戯の丁寧な表現とか本当神だからね!」
「胸張ってAVの良さなんざ語るな」
握り拳を作って言えば、思いっきり阿呆を見る顔で返された。
あ、それ偏見。差別ですから。
今のAVは本当に凄いんだから。
あれこれ本当に挿入してない?ってアングルで撮られてたり…って話逸れた。
今はAVの良し悪し語る時じゃない。
「私はただユウを気持ちよくさせたいだけだよ。昨日は…その、私が…してもらったし…」
昨日のは流れでだったけど。
とにかく私はユウに気持ちよくなってもらいたいだけ。