• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



 歯型が付くくらいに強く噛むのは、流石に躊躇して中々できない。
 代わりに何度も同じ個所に甘噛みを繰り返す。
 やんわりと咀嚼するように肌を歯で挟んで刺激しながら、時々労わるように舌で拭って。


「…雪」

「ん?」


 張りの良い肌を堪能するようにそれらを繰り返していれば、微かに上擦った声がすぐ傍から届いた。
 顔を離して見れば──…うわ何その顔。
 じっとこっちに向けられた真っ黒な瞳は、少し憂いを帯びたようにも見える。
 気だるげに息つく姿は妙に色っぽい。

 なんかさっきより色気増してますよ…!


「そいつは虫除けじゃない。愛撫だ」

「そ…そうなの?」


 そんな言える程大したことしてない気がするんだけど…。
 ユウ以外の人にしたことないから、そんな経験ないし。


「じゃあもっとちゃんと付ける」

「いや、もういい」

「え。」


 なんで。

 意気込んで再び首筋に口を寄せれば、ぺちりと顔に手を当てて押し返された。


「それ以上すると我慢が利かなくなる」

「……」


 何が、とは聞かなかった。
 …聞かなくてもわかったから。
 だって…その……うん。


「……」


 ………うん。

 忍耐力強いユウだから、言われないと気付かないこと多いけど…流石にそんなに色気纏った顔で呟かれば、体がどういう状態なのか理解できた。
 だってその…体は密着してるから、なんとなくわかる。
 下で微かに…反応してる布越しのそれが。

 ……感じてくれてたんだ。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp