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My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



「それくらい私にもできるよ」


 吸い付けばいいんでしょ?
 ちゅーってすればいいんでしょ?
 それくらいできる!
 ウン問題ナイ!

 あまりにはっきり否定されたから、思わずムキになって反抗すればぺちりと大きな手が私の額に触れた。


「違ぇよ。そんな些細な跡は、この体なら数十秒で消える」

「……」


 あ、成程…。
 流石高い再生能力を持つ体。
 いつもなら凄いなぁって感心するけど…なんか少し恨めしい。

 それがむすっと表情に出てしまっていたのか、私を見てユウはくつくつと喉奥で微かに笑った。

 え、何。
 なんで笑うの。


「…ナンデ笑ウンデスカ」

「いや。お前にもそういう欲があったんだなと」

「……」


 ……そりゃあ、ないと言えば嘘になるよ。
 ついこうして逃げ腰になっちゃうけど、ユウと体を重ねるのは嫌じゃない。
 体で感じられる繋がりも大事だって思ってるし…やっぱり女だから。
 求められるのは…嬉しい、し。


「お前すぐ逃げるからな」

「……」


 やっぱりそう見えてたんだ。
 …少し反省。


「ああ、でも。お前に付けられた跡なら前にあった」

「え?」


 ふと思い出したかのように呟くユウに、思わず目を剥く。

 嘘。
 私、ユウの体に吸い付いた覚えなんてないけど。
 …まさか寝ている間に無意識で吸い付いてたとか……どんだけ変態!


「初めて抱いた時、俺の背中に爪立てただろ」


 あ、違った。
 よかった。

 というか爪?

 一瞬疑問に思ったけど、すぐにピンときた。
 確かユウが掴まってろって背中に私の手を回させて………ああうん…うん、あったそういうの…ありました…。
 初めて受け入れた痛みに、加減なんて考えられずにユウの背中にしがみ付いてたっけ…。


「あの跡は二日くらい取れなかった」


 まじですか。
 どんだけ力入れてたの私。

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