My important place【D.Gray-man】
第2章 空白の居場所
でも…だからと言って、同情を向けるのは違う気がする。
可哀想だとか、大変だろうとか。
そういう感情は、所詮その世界を知らない者の上から目線で。
力になりたいだとか、支えたいだとか。
そういうことを口にするのは、きっとそれなりの覚悟がいる。
だからこそ簡単には口にできない。
「…もしかして」
だから神田とよく組まされるのかな。
あの人、同情とか一番嫌いそうだし。
それに私も神田に認めてもらおうなんて思ってないから。
お互いに興味がないなら衝突も少ない。
ある意味、理想のバディなのかもしれない。
「信頼関係は、全くないけど」
乾いた笑みを漏らして、シャワーの雨を仰ぐ。
頭の痛みは少しだけ治まっていた。