My important place【D.Gray-man】
第2章 空白の居場所
そういえば任務中ずっと頭痛してたなぁ…具合悪そうにすれば神田に邪険にされるから、下手に痛がることもできなかったけど。
絶対、普通の任務より疲れる気がする。
神田相手の任務って。
「…なんで私なんだろ」
座り込んだまま、立てた膝に顎を乗せてぽつりと自問自答。
以前、一度だけコムイ室長に問い掛けた。
何故私と神田を組ませるのか。
その時は、ただいつもの"室長"としての笑みを見せて。
『相性がいいから、かな』
コムイ室長は、それだけ口にした。
〝相性〟
果たしてそれがいいかと聞かれれば、素直に頷けない。
任務中に神田に邪険にされることも、怒られることもよくあるし。
でも一つだけ挙げるなら。
「興味がないから、かな…」
私が普通のファインダーと決定的に違うところ。
それはきっと、エクソシストに対してなんの感情も持っていないところ。
ファインダーとしてサポートをしたいとは思ってる。
常に危険と隣合わせの仕事だから、そこに偽りはないし本気で取り組んでる。
でもエクソシストに対する憧れや畏怖や尊敬みたいなものは、何一つ私の中にはない。
…壮絶だろうとは思う。
エクソシストは"神の結晶"と呼ばれているイノセンスを武器として扱える唯一の存在。
彼らしかAKUMAやノアと戦う術を持っていないからこそ、組織内でも何よりも優先して重要視される。
でもだからこそ、彼らに寄せられる使命や期待も大きい。
エクソシストはイノセンスに選ばれた者しかなれないけれど、決して簡単になれる訳じゃない。
イノセンスと同調する為の訓練や修行は、時には血反吐を吐く程のもの。
そしてエクソシストに一度なってしまえば、子供だって女性だって関係ない。待っているのは戦闘の日々。
そんな彼らは、きっと私の知らない苦労や経験を色々と重ねてる。
神田やラビだけじゃない。アレンやリナリーやマリや、他のエクソシストを見ていればなんとなくわかるから。