My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「大体、なんでいちいち雪さんの行動を神田に咎められなきゃいけないんですか。彼女には好きに時間を過ごす権利があります」
「あ?」
わ、いつかのリナリーと同じに正論を言ってるのにユウの殺気が増した。
流石犬猿の仲。
アレン相手だと穏便に話は進まないらしい。
「チッ」
アレンの正論に目障りだと言わんばかりの顔で舌打ちすると、ぱっとその手が私の背中の服から離れる。
あれ…もしかしてアレンの言うこと聞いてくれた?
珍しいこともあるん──
「んむっ!?」
途端、その腕が私の前に翳されたかと思うと口元に押し当てられて、またもや後ろに雑に引き寄せられた。
背中がユウの胸に押し当たる。
まるで猿轡するかのように、腕一本で易々と囲われてしまった。
え、何この扱い。
これじゃ喋れないんだけど!
「こいつは俺のだ。口を出して何が悪い」
「んんっ!?」
何言ってんの!?
いきなりの所有物発言に思わず囲っている腕を掴む。
なのにその腕はビクともしなくて、抜け出せない。
「……はっきり言えばいいってもんじゃないですけど」
驚いていたのはアレンも同じで、目を丸くして一瞬言葉を失っていたけど。すぐにその眉間に皺を寄せると、口元をヒクつかせながら笑みを浮かべた。
笑ってるけど、全く笑ってない笑顔。
それはロンドンでアレンが見せた笑顔とは全然違う、敵意がひしひしと見える笑顔だった。
え…ちょっと待ってアレン。
何その反応。
なんかその反応、私達の仲を知ってたみたいに見えるんだけど…どゆこと。
「ああほんとムカつく。これだから馬鹿は嫌なんですよ。神経逆撫でするようなことしか言わないんだから」
「それはテメェだろ似非紳士野郎が。こいつに手ぇ出してみろ、原子サイズまで斬り刻むぞ」
「原子サイズなんてわかるんですか、わからないことを口に出さないで下さいバ神田」
「ァあ!? なら試してやろうか!」
「やれるもんならどうぞ!」
ちょっと待って待って!
なんかいつも以上にお互いの間の殺気が半端ないんですけど…!
なんかアレンもすっごくキレてるんですけど!?