My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「んーっ! んんー!」
びしびしと二人から発せられる殺気。
ユウに腕で囲われてるから、二人の間に挟まれてる私には堪ったもんじゃない。
咄嗟に二人の間で両腕を突き出して振れば、アレンの冷たく見据える目が一瞬私に向いた。
だけどそれは一瞬で、すぐにユウを睨み付ける。
「…前に言いましたよね。雪さんに乱暴するなら黙ってないって。放して下さい」
「これのどこが乱暴なんだよ。テメェが気に喰わねぇだけだろ」
いえ乱暴です。
乱暴というか雑です。
もう少し優しく扱って下さい、一応人間なんで私も。
「ええ、気に喰わないですよ。こんなに女性を丁寧に扱えない人に、なんで雪さんをやらなきゃいけないのか。本っ当に気に喰わない」
…え。
や、待ってアレン。
思いっきり吐き捨てるように言ってるところ悪いけど…それってやっぱり私達の仲知ってるんじゃ──…
「今からでも遅くないです、雪さん。別の男性で手を打っておきましょう」
やっぱりバレてる!
明確には口にしてないけど、その態度が明らかに物語ってる。
一体いつバレたのか、ユウが話したのか。
いや、そんなこと話すような仲じゃないし。
じゃあ何、態度に出てたってこと?
それはそれで恥ずかしいんだけど!
「長髪美形馬鹿なんて捜せばいくらでも代わりはいます」
「その括りはなんだ喧嘩売ってんのかコラ」
「ええ、バ神田にもわかるように売ってあげてるんです」
にっこり。
黒い笑顔で親指を立てた拳を真下に突き付けるアレンに、一気にその場の温度が下がる。
…ああもう逃げたい。