My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
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「結局安易な物になっちゃったかな…」
リナリーに聞いた情報を元に、赤色目的でプレゼント選びをした結果。
散々色んなお店を見て回って悩み抜いて、やっぱりこれだと思えるものは見つからなかった。
結局、妥協して選んだのは赤い髪紐。
一応、今まで付けてたものとは違うデザインを選びはしたけど…髪紐に別に執着してないからなぁ、ユウって。
…喜んでくれるのか。
全く予想ができなくて、少しだけ不安になる。
「大丈夫ですよ。雪さんが一生懸命選んだ物ですから。思いは伝わります」
そんな私を励ますように、戻ってきた教団の廊下を歩くアレンが明るく笑いかけてくれる。
「それで誰にあげる物なんですか? それ。飾り紐みたいだし…女性ですか?」
「…任務仲間にだよ。誕生日が近いから」
興味津々に聞いてくるアレンに、苦笑混じりに曖昧に返す。
はっきりと名前を出せなかったのは、二人が犬猿の仲だってこともあったけど…ちょっぴり恥ずかしさもあったから。
私とユウの仲なんて、アレンは知らないだろうし。
「ファインダー仲間とか?」
「まぁ、そんなところ」
誰だろう、と不思議そうに首を傾げるアレンに、なんとなく取り繕うように笑顔を返していると。
「──…」
「?」
ふとその銀灰色の目が廊下に並んだ窓硝子で、一瞬止まった。
何かを見つけたような視線は一瞬だけで、すぐに逸らされる。
なんだろう、と同じ窓ガラスを見てみれば、そこには特に変わったものなんて映っていなかった。
…そういえば。
今日お店を回ってる時も、時々じーっと鏡とか見てたなぁ…。
別にそこまで気にする程の動作じゃないけど、なんとなく引っ掛かったのは…きっと、
「…ね、アレン」
「はい?」
私がノアのメモリーである白い影が見えていた時に…アレンに対して小さな取っ掛かりのようなものを、感じたからだと思う。
「時々するよね、それ」
だから、なんとなく。
聞いてみることにした。