My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「…うん」
睫長いなぁ…なんて間近にあるユウの顔を見ながら、気付けば賛同していた。
トクントクンと胸は弾むのに、同時に落ち着く心。
ただ触れ合っているだけなのに、そこから貰えるこの思いはきっとユウだからこそ。
…好きだなぁって気持ちが自然と溢れる。
……。
…って駄目駄目、話が逸れてる。
ユウの好きなもの、ちゃんとリサーチしないと。
「あの、さ」
「?」
「なんでもいいから、ユウの好きなものってないの?…お蕎麦以外で」
「…お前まだそれ言ってんのか」
「だって気になるから。欲しいものというか…なんというか…」
あまりに答えが見つからないから、とうとう率直に聞いてしまった。
すると伏せていた目を開けてこっちを見てきたユウの黒い瞳が──…あ。
「欲しいもの?」
僅かに鋭い光を宿す。
まるで獲物を狙う捕食者のような目に、ゾクリと背中が粟立った。
あ、これ。
まずい。
「欲しいもんなら、俺の目の前にある」
「待っ…それ以外で!」
慌てて身を退く前に、がっちりと腰と頭部を手で固定されて。
僅かな短い距離を簡単に埋められた。
近付く顔。
唇が触れる瞬間、
「それ以外にねぇよ」
「しないって言──…んっ」
はっきりとそうユウは口にした。
それ以外ないって。
じゃあプレゼントできるものなくなるから…!
というか取って食わないって言ったよねさっき!?