• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第37章 6/6Birthday(番外編)



「…うん」


 睫長いなぁ…なんて間近にあるユウの顔を見ながら、気付けば賛同していた。
 トクントクンと胸は弾むのに、同時に落ち着く心。
 ただ触れ合っているだけなのに、そこから貰えるこの思いはきっとユウだからこそ。

 …好きだなぁって気持ちが自然と溢れる。


 ……。
 …って駄目駄目、話が逸れてる。
 ユウの好きなもの、ちゃんとリサーチしないと。


「あの、さ」

「?」

「なんでもいいから、ユウの好きなものってないの?…お蕎麦以外で」

「…お前まだそれ言ってんのか」

「だって気になるから。欲しいものというか…なんというか…」


 あまりに答えが見つからないから、とうとう率直に聞いてしまった。
 すると伏せていた目を開けてこっちを見てきたユウの黒い瞳が──…あ。


「欲しいもの?」


 僅かに鋭い光を宿す。
 まるで獲物を狙う捕食者のような目に、ゾクリと背中が粟立った。

 あ、これ。
 まずい。


「欲しいもんなら、俺の目の前にある」

「待っ…それ以外で!」


 慌てて身を退く前に、がっちりと腰と頭部を手で固定されて。
 僅かな短い距離を簡単に埋められた。

 近付く顔。
 唇が触れる瞬間、


「それ以外にねぇよ」

「しないって言──…んっ」


 はっきりとそうユウは口にした。





 それ以外ないって。
 じゃあプレゼントできるものなくなるから…!

 というか取って食わないって言ったよねさっき!?

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp