My important place【D.Gray-man】
第35章 抱擁
膣の内壁を擦り上げる指先とは別に、ぬるりと肉芽を親指の腹で擦られると腰がひく、と震えた。
駄目、そこも刺激されたら。
「ふ、ぁ…あッ」
さっきより大きな波がくる。
ぞくぞくとした気配が、腰から背筋を駆けていく。
「ま、た…イっちゃ…ッ」
指の腹で肉芽を擦られながら、更に秘部の中に潜り込んでくる指が増える。
敏感な箇所に複数の指先を突き立てられて、さっきより強い刺激に腰が跳ねた。
「んぁっ、あ…!」
一瞬意識が高い所へ昇って、体がぴんと張る。
ぎゅっと強くシーツを握りしめて、やがて体は脱力するようにベッドに沈んだ。
「は、ぁ…っ」
「………月城」
浅く息をついていると、僅かに離れた神田の顔が伺って。
「すげぇ締め付け。指が千切れる」
そう、さっきと同じ言葉を口にする。
だけどその口調はさっきよりも、ずっと柔らかくて優しいものだった。
まだ私の中に感じていた指が、ゆっくりと引き抜かれる。
クチュ、と抜ける際に音が漏れて、どれだけ自分の愛液で溢れているのか思い知らされた。
「体、平気か」
「はぁ……ん、…だいじょぶ…」
息が落ち着いてくる。
胸はドキドキしているけど、神田の優しい声に少し落ち着いて頷いてみせた。
「なら──」
ぐ、と腰を落とした神田の下半身が、私の下腹部に押し付けられる。
ズボン越しでも感じた、硬いそれがなんなのか。流石に理解できた。
「…もう、いいか」
思わず神田の顔を見上げようとすれば、その前に私の顔の横に寄せられる。
すぐ耳元で囁く声は、掠れて上擦っていた。
ずっとどこか余裕があるように見えていた神田の、そうじゃない態度に思わず息を呑む。
…もしかしたら、ずっとそうだったのかな。
私の為に優しくしていてくれたけど、本当は我慢してたのかも。
「…うん、…」
そう思うと、まだ体はさっきの余韻が残ってたけど首を横に振る気にはなれなかった。
なんだか胸に温かいものを感じながら、気付けば頷いていた。
私を求めてくれている。
言葉や仕草だけじゃない、体全体で。
その事実が与えてくれる幸福感は、他では感じられないものだった。