第35章 抱擁

「抑えんな。ちゃんと聞かせろ」

「ぇ、や…っ」

「感じてる月城を、俺も感じていたい」

「っ…！」


　手首をシーツに押し付けられて、足の付け根に触れている指先は突起を捏ね回す。


「ん、ぁッぁう…ッ」


　そんなことを言われて口を押さえることなんてできなくて、与えられる刺激のままに喘ぎが漏れた。
　ぬるぬると滑りよく肉芽を刺激してくる指が気持ちよくて、体は勝手にその動きに合わせて跳ねる。

　でも。


「ひぁ、ぅ…っそれ、だめ…ッ」


　刺激が強い。
　強制的に送り込まれる快感に、体は意思通りに動かない。


「駄目じゃなくてイイって言え」

「ッむ、り…っだめ、だってば…ッあっ」


　そんな恥ずかしいこと言えないから…！

　だけど神田の手は動きを休めることなく、肉芽を擦り上げてくる。
　じんじんする。
　秘部から愛液が溢れるのが、自分でもわかった。


「や…ッだめ、も…っ！」


　抗えない刺激に、びくんっと腰が震えて一瞬快楽が高みに届く。
　するとやっと、神田の指が動きを止めた。


「駄目じゃなくイイって言えっつっただろ」

「は、ぁ…っ無茶言わないで…」


　浅く息しながら、目の前の神田に力なく抗う。


「こっちはイイっつってんのに」

「あ、ちょ…っ」

「体の方が正直だな」

「んぁ…っか、神…ッ待ってっ」


　つぷりと、濡れた秘部の中に入り込んでくる神田の長い指。
　静止も聞かずに、その指はゆっくりと潜り込んでくる。


「もう待ったはナシだ。そう言っただろ」

「でも…ッ」


　さっきイったばかりなのに…！

　明らかな異物を膣内に感じる。
　たった指一本なのに、その存在感は強く私に主張してきた。