My important place【D.Gray-man】
第35章 抱擁
「……」
「ごごごめんなさい! マジでごめんなさい!!」
無言で据わった目を向けてくる神田に、土下座しそうな勢いでラビが謝罪する。
怖かったけど、鬼に殺されそうな兎を見放す訳にはいかない。
「と、とにかくおかえり! 任務終わったの? お疲れ様!」
だけどリナリーみたいに平気な顔して、こんな鬼を受け入れられるはずもなく。
無理矢理にでも話題を変えることにした。
じゃなきゃ兎さんが殺されます…!
(その後、確実に私も殺されます)
「コムイ室長に報告はっ? 怪我はないっ? イノセンスは回収できたっ?」
「…いっぺんに聞くな、うざい」
あ、反応してくれた。
「だって気になって。任務の話詳しく聞きたいな私っ」
ここぞとばかりに笑顔を貼り付けて、話題を逸らしに逸らす。
するとそんな私に片方の眉を潜めながら、じーっと見てきたかと思えば。
「…わかった、聞かせてやる」
そう答えて──…え?
「え。」
がしっと、伸びた神田の手がアルバムと私の背中の服を掴む。
「テメェをシバくのは後だ、馬鹿兎」
その目はギロリとラビを睨んで。
「先にこいつにする」
次に私にもギロリと向けられ…えええええ。
待って先に私って何!?
まさかシバかれるの!?
私もシバくんですかそうなんですか!
「ちょ、神田…ッ待って何処行くつもり…!」
「お前には聞きたいこともある。黙ってついて来い」
背中の服を強い力で引っ張られて、踏ん張ってもずるずると呆気なく引き摺られる体。
聞きたいことって何、此処では聞けないこと!?
まさかそれ尋問ですか!
まさかR18指定でもかけるつもりですか、グロテスクな意味で!