My important place【D.Gray-man】
第7章 黒の教団壊滅事件Ⅰ
「ありがとさー! 雪~!!」
「わ…っ」
「うるっせぇよ! 見つかるだろ!」
「イデッ!」
「いや神田も煩いからそれ」
奇跡だと思う。
いくら体を鍛えてると言っても、ただのファインダーの私と。
いくらエクソシストだと言っても、子供と化してる神田とラビ。
そんな私達が、あの場から逃げ遂せたのは。
なんとか見つけた空き部屋に逃げ込んで、乱れた呼吸を整える。
壁に背を付けて座り込んだ途端、小さなラビの体が突進するように抱き付いてきて瞬く間に神田の拳がその頭に落ちた。
うん、体は小さくても中身は二人のまんま。
「それで何があったの。病室から出たら、あちこち暗いし…出会う人は皆、ゾンビみたいになってるし…」
「あー、うん…話せば長ぇんだけどさ…」
「あのクソコムイの所為だ」
問えばラビは肩を落として、神田は眉間に皺を寄せた。
そんな二人から、やっとこのゾンビパニック映画みたいな状況を教えてもらうこととなった。
「…………うん」
話を聞くこと、数分後。
「もう科学班なんて嫌いだ…っ」
「ま、そうなるよな…」
頭を抱えて唸る私に、うんうんとラビが切実な顔で頷いた。
また原因は貴方ですか、室長…!