My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
『それなら、もう泣く必要なんてありまセン♡ あんまり泣いてたら、他の家族に笑われますヨ~ジャスデロちゃん♡』
『ぐす…っジャス、デロ?』
『ハイ♡ ジャスデビはふたりでひとつの名前ですカラ♡ 貴方にもデビットと同じに、貴方の名前をあげないト♡』
『だからってなんでジャスデロなんだよ?』
『レロから一文字、モジってみマシタ♡』
『レロロッ!? なんでレロからっ!?』
人差し指を立てて笑うその人に、カボチャの傘が驚いて跳ね上がる。
どうやらカボチャの傘は、レロという名前があるらしい。
『それ、もじったって言うの?』
『ンで傘から取んだよ、だせェ』
『………グスン♡』
『レローっ! 伯爵タマ! 落ち込まないでレロ!』
容赦ない双子の言葉に、がっくりと落ち込むシルクハットの人物。
そんな姿を前にして、ふと双子は顔を見合わせると。
『…ま、お前がそれでいいならいいけどよ』
『うん、いいよ! デビットが呼んでくれるなら』
その表情は共に砕けた。
『ンじゃ、もう泣き止め。家に帰るんだから』
『んぷ…うんっ』
ゴシゴシと乱暴にその目元をハンカチで拭って、黒髪の男の子が手を差し出す。
その手を迷いなく握ると、金髪の男の子は嬉しそうに笑った。
『デビット、』
『…ジャスデロ』
お互いの手を握り合わせて。
口元に笑みを浮かべた二人の子供は。
『ぼく達、ずっと一緒だよね?』
『ああ。言っただろ、オレ達はふたりでひとつ』
その身形や周りの血に濡れた風景を除けば。
ただただ無邪気に笑う、双子の可愛らしい子供そのものだった。
『『ジャスデビだ』』