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My important place【D.Gray-man】

第34章 Resonance






















『ふぇええん…』





 泣いている声。
 幼い子供の泣き声。
 ずびずびと鼻を啜りながら泣くその子は、金髪の小さな男の子。





『だーっ! もう泣くんじゃねェよ!うぜェ!』

『イタッ!』





 後ろからその頭をベシッと叩いたのは、同じ背丈の黒髪の男の子。
 髪の色は違うものの、似通ったその顔立ちの二人はまるで双子のようだった。

 似ているのはその顔立ちだけじゃなく、金色の目に褐色の肌、そしてその額には十字模様の聖痕。
 独特の雰囲気を持つその体のパーツも、全て一緒。





『だって…っだってぇえ~…ッ』

『だから言っただろ、あいつらも町の連中と同じだって』





 あいつら、と言って黒髪の少年が冷たい目を向ける先。その先は、歪にひしゃげた空間が広がっていた。
 まるで外から強い力で圧迫されたかのように、ひしゃげた空間は部屋の内装を保っていない。

 そしてその中心から放射線状に飛び散っているのは──


 真っ赤な血飛沫。


 空間の真ん中には嘗て人間"だったもの"が転がっていた。
 圧迫された力によってか、人の形を保てない程に潰されたそれは辛うじて僅かな肉片を残しているだけ。

 それ以外には何もない。

 潰されるように、消されていた。





『はいハイ、もう泣かナイ♡ 鼻水チーンしましょうネェ♡』

『んぷっ』





 大きなお腹を揺らしてシルクハットを被った人物が、金髪の男の子の顔にハンカチを押し付ける。





『貴方達にはちゃーんと、帰る場所があるんですカラ♡ もう見えているでショウ? 自分がどんな存在でアルカ♡』





 問いかけるその人物に、顔を見合わせた双子は同時にコクリと頷いた。
 そんな二人の纏う雰囲気は、以前とどこか少し違っていた。

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