My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
体がふたつ 在ったらいいのに
そう願ったことは何度もあった
何度も何度も
数えきれないくらい
そしたら町の皆に笑われずにいられる
可哀想だって向けてくる目もなくなる
ちゃんとデビットはいるんだって
否定してきた皆を 見返せる
でも
『なん…で…』
確かに感じる体温
はっきりと耳に届いた外からの声
驚いた体は思わず固まった
確かに目の前にいるのは デビット
でも、なんで?
デビットはもうひとりの僕
君は僕で 僕は君
ふたりでひとつ
だから 体もひとつ
…な、はずなのに
『なんでってお前──…』
目の前にあったそのブラウンの目に、僕の顔が映る
するとそれは まぁるくなって
まじまじと僕を再確認するかのように、見たかと思えば
『……え、待てなんでオレがいる』
ポカンとした顔で、驚いたように口にした
………それ、僕の台詞だよデビット