My important place【D.Gray-man】
第33章 Twin of a bond
振り返った、幼い顔の子供達。
髪や目の色は全く違うけれど、どこか似通った顔立ちの二人はまるで双子のようだった。
呼びかけた私をじっと見上げて、同じタイミングで口を開く。
『──…』
そして言葉を何か紡ごうとした。
その時。
「雪!」
強く名前を呼ばれた。
同時に強い力に引っ張られる。
ドンッ!
「おっとォ! あっぶね…!」
「ああー! こいつ…ックロスの弟子!?」
張り上げるデビットとジャスデロの声を遠くに感じて、はっとする。
目の前に見えたのは、真っ黒なコート。
「大丈夫か?」
「クロ、ウリ…」
其処にいたのは鋭い眼孔と牙を見せたクロウリーだった。
この姿…AKUMAの血を飲んだのかな。
すとん、とその場に下ろされて気付く。
どうやら私を抱えて、あの二人から離れてくれたらしい。
「まさかこんな街中で出会うなんて…」
「それはオレらの台詞だっつの!」
「此処で会ったが百年目ぇー! クロスの借金のツケ払え弟子ィー!!」
さっきの衝撃音は、どうやらアレンの攻撃だったらしく。私とデビット達がいた地面を発動させた左手で大きく抉って、その場に立っていた。
そんなアレンに向ける二人の視線は鋭い。
発言からして、どうやら顔見知りらしい。
「あのガキ共に何をされた?」
「え…あ、うん。…大丈夫」
さっき垣間見えたものは、なんだったのか。
それを把握するより先に、クロウリーの問いに慌てて自分の体を見下ろす。
大丈夫、負傷はどこもない。
変な感じもしない。